個人事業主にとって、仕事が入っていない日はすなわち収入がない日だ……と書いて、昔、時給制のアルバイトで働いていたときのことを思い出す。あのときも、会社に行っていない日はすなわち収入がない日だった。休日の多い月や残業の少ない月を喜べなかった。12月や1月はそういう時期だった。
ともあれせっかく時間があるので、こういう日にこそ確定申告のための記帳作業を進めておきたい。この時間を無為に過ごしてしまえば、あとで絶対「くそ……なぜオレはあんなムダな時間を……」となるに決まっているのだから。
そう考えて寝て起きた朝、漠然と「掃除でもすっか……?」という気分になり、予定を変えた。掃除も掃除でいつかはしなければいけないことだったし、発掘しないといけない書類もある。何より、いろんなものが積み重なった山が気持ちの荒れをよりひどくしているという実感があった。幸い、記帳作業はある程度進んでいるし、今日は掃除にする。
私は狭い部屋にいろんな荷物を置きまくっているので、床の拭き掃除をしようとすればそれらの荷物をどかす必要がある。けど、全部の荷物を退避させておくようなスペースはないので、荷物の一部をどかしてそこを掃除して荷物を戻し、また別の区画の荷物をどかして拭き……を繰り返すしかない。狭いところに正座するようにして身をかがめて入って掃除していたら、足にやばい痛みが走った。掃除ですら、体を痛めないよう細心の注意を払わなければいけない(もしくはふだんから鍛えておかなければならない)年齢になった。
これを3区分ぐらいやったところで夕飯の時間になり、ご飯を食べてしばし休憩したらもう動けなくなってしまった。掃除の必要な区分はまだだいぶ残っているけど、今日の掃除は終了。夜は図書館で借りた本を読み、SNSを見て回って、マイクラをやって、昼間に少し描いた絵に色を塗って就寝。
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日記を再開した。
6月はどうにか日記を書いてZINEにした(のをブログにも投稿するつもりだったのにできてなかった)。7月、8月は選挙後の落胆やいろんな物思いがあり、意図的に日記を書くのをやめた(あきらめた)。9月、10月は日記を書きたい気持ちはあったけど時間をつくれなかった。11月は日記を再開しようと決めていたけど書くのがこわくなっていた。
「やめなければそれは継続なのだ」というのは私も本当にそうだと思うけど、自分自身についていえば中断期間が生じたことを再開するのは何事もこわい。さびついてしまった自分を認識するのがこわい。でも、さびついたままにしていたら後悔の量がきっととりかえしのつかないことになる(そういう経験ももう何度もした)。
私が日記を書いたところで世の中の誰の何のためになるかといえば誰の何のためにもならないだろう。SNSでいろんなひとがわいわいと、複数人でZINEをつくったりイベントに出店したりアドベントカレンダーをやったり寄稿を頼んだり頼まれたりZINEの取り扱いを頼んだり頼まれたりしているなかに、私や私の日記が呼ばれることはない。ここ数週間、人間関係を形成してくることができなかった自分に対するネガティブな感情が久しぶりに噴出しておりそれをもてあましていることもあって、そういう数多のまぶしい世界にふれては自分の手をひっこめてきたところがあった。
けど、そうして手をひっこめている限り私は、このネガティブな感情に埋もれて溺れるばかりだ。幸い私には、手を動かす「体力」がまだあり、自分から手をあげれば参加できるZINEがあり、自分の出したネップリを見てくださる方もいる。手を動かして感情の波をかきわけ、やっと顔を出すところがどこかはわからないけど、休み休みでもまた手を動かしてみようと思う。ほかならぬ自分のために。