足もとからわきあがるもの

明日の午前中に東京へ宅配を届けるには、14〜16時の集荷をお願いするか、最寄りのコンビニに15時までに持ち込むか。最終のデッドラインは、19時までにサービスセンター持ち込みとサイトには書いてあった。初めてそれを実践した。

朝からがっつり集中したんだけど、まーーー終わらなかった……エンピツが多ければどうして時間はかかる。見る要素も多かったし、後送分もあったし、しょうがない。今回の報酬は時給制だし、ちゃんと見ることができていて、納期に間に合えばそれでいいのだから。焦らなくていいよ、と自分に言い聞かせつつ仕事をしていた。校正の仕事、焦って見逃したらそれこそ元も子もないので。とはいえ、14時が過ぎ、15時が過ぎ、16時を過ぎたあたりで足もとから焦りがひやっと逆流してくる瞬間はあった。

そして無事完成。もはやサービスセンター一択。自転車で行かれる距離ではあるのだけど、冬の日はもうどっぷり暮れていて、暗くて細い道(が途中にあるんだ)を自転車の細々としたライトで行く元気はなかった。そこで、バスで行くことにした。バス、往復500円弱。参考資料も印刷したし、それとバス代とで時給の何十分分かは使ってしまうことになる。私の仕事が遅かったからしょうがないんだけど、でも痛いのは痛い。米倉涼子版『黒革の手帖』で、元子に脅迫されて5000万円を支払った楢林が「5000万だよーーーーーっ」とひとりくやしがる場面がある。バスに乗るためにPASMOにチャージしたときの私はまさにそういう気分だった。

そのサービスセンターでは年末に仕分けのアルバイトを募集していて、実は今、そこに申し込むかどうか悩んでいる。予定していた仕事も全部年明けにずれこんで、今、本当に仕事がないので。せっかく行くなら、アルバイトについても聞いてみようか。そうしよう、それがいい。……そう考えながら向かったけど、聞けなかった。遠慮がち引っ込み思案を発動してしまった。そのままUターン。

帰宅後は夕飯を食べた。必死でゲラを見ていたとき、台所からものすごくいいにおいがしてきていたのは知っていた。あったかいときにこれを食べられたらなあ……と思ったけどおいしかったからそれでいい。

そういえば、先日粗切りピクルスのチューブをたまたま買ったのだけど、これがものすごくいい。いつもとちょっと違う非日常の味を手軽に得ることができる。
何十年も代わり映えのしない母の食事は、私の人生の行き詰まりぶり、閉塞感のある日常を象徴するもので、たまに叫び出しそうになる(食事をつくってもらうこと、限られた予算でのやりくりを強いていること、できるだけ工夫をしようという気持ちをもってくれていることに対する感謝は前提としてもっているけれど、その前後左右に人間関係や金銭の負担などに基づくいろいろな感情があるのです)。そんな日々にちょっとした非日常をはさめる粗切りピクルス、よすぎて買い足した。ハラペーニョのチューブもおすすめです。

夜は、インボイス制度関連のイベントをオンラインで視聴した。Mastodonにはその直後の感情をほぼそのまま書いた。結論からいえば私の期待に合うものではなかった(おそらく私のほうがそのイベントの「客」ではなかったのだ)けど、「今時間を使うべきは、制度にどう適応するかを勉強することではない」という気持ちは新たになったし、ZINEの流通について考えるための材料も新たに得られたので、それでよかったと思うことにする。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です