うまくなるには

姪の、絵と字の上達スピードがものすごいことになっている。比喩でなく、毎週会うたびにうまくなっている。
毎週「一緒に絵を描こう」と言われてスケッチブックに向かうけれど、姪の筆の進み具合を見ていると自分が情けなくなってしまう。「これを描こう」と思うものがなかなか思い浮かばない自分が。描こうと思ったものをうまく写し取れない自分が。
それでつらくなったりはしない。一緒にお絵かきを楽しめる時間は至福だし、なんとなくでも筆を動かすだけで自分自身が得ているものもとても大きいから。追い抜かされたのだとすれば本望だから。ただ、「私描けないなあ」と思う気持ちがあるのは確かで、「描いても描いても描きたいものが思い浮かぶ」と言う姪に圧倒される。

今日も一緒に絵を描いたが、私は例によって「こういうのが描きたい」をスケッチブック上に実現することができず、「いやー、うまく描けなかったよ」と姪に言った。その返答がふるっていた。
「うまく描けるようになるにはどうしたらいいと思う? たくさん描くこと。(姪)も最初はうまく描けなかったけど、たくさん絵を描いて描けるようになったんだよ」
実践する人の説得力にひれ伏すしかなかった。

私はなんで今も、絵を描きたいという思いにとらわれているのだろう。私の中は空虚で、絵を描きたい衝動、絵で表現したい世界が自分のなかにあるような気がしない。でも絵を描いて満足したい。「これ好きだなあ」と思えるような絵を描いてみたい。
とにかく手を動かさなければ。残念ながら冬も終わりそうなので、寒さを言い訳にせず、手を動かしてみよう。

姪はブロック遊びもめちゃくちゃうまくなっていて、操縦台と窓と背もたれがある人形サイズの飛行機を見事につくってみせた。ただブロックを重ねただけの飛行機じゃないの、もう。人ってこんなに早く成長するものなのだな。

夕方ひと眠りしたあとは、ふとしたことから部屋の片付けをする流れになった。なんせ部屋が狭く荷物が多いので、何かひとつ物を動かそうとすると、倉庫番のように遡って順々に動かさないといけなくなる。今日はそれが本だった。おかげで床に積んであった本を棚に収納できた。もうそろそろ紙の本を置くスペースが限界だが、新たな本棚を置ける場所を思い付いてしまった。あの場所に姪と姪母用の本棚はもともと設置したいと考えていたので、要検討。

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