腰が痛みはじめたのは、ちょうど1週間前だった。
前日の晩は忙しさのピークで、なのに手がかじかむほど寒くて、でも今日を乗り切れば3月分の仕事が終わるからと根をつめていた。それぐらいしか心当たりはない。いつもと同じ冬のデスクワークを終えた翌朝なだけだったのに、ぎっくり腰とほぼ同等の痛みがあった。
いつかの腰痛で処方された湿布と塗り薬と、それを使い切ったあとは市販の塗り薬と、あと痛み止めの飲み薬で過ごしてきたが、1週間経っても根源的に収まるきざしが見えない。仕事が忙しくない時期であったからよかったものの本格的に机に向かうことも難しく、結局1週間を腰痛で溶かしてしまったようなものだった。
これ以上時間を溶かして自己嫌悪に陥ってもいられないと、観念して病院に行った。
レントゲンを撮ってもらったが骨や神経がどうにかなっているということではなく、ふだんの腰痛の延長線上の痛み、ぎっくり腰みたいなもの、つまり対処療法で痛みが治まるのを待つしかないということだった。こっちもそのつもりで薬と湿布の処方を求めて受診したのではあったが、一応正式に何事もなさそうであったのはよかった。
先週姪と羊毛のレンジ染めをしたところ、とても楽しかった。ただ、要改善の点もあった。
液体でつくった色と、実際にフェルトに定着した色にはやはり違いがあり、小さい子からしてみたら「せっかくきれいな色をつくったのに」となりはしないだろうか。
袋もののように両面があるものだと、フェルト上で色が混ざることもある。
つくった色をスポイトでフェルトに落としていく方法で広い面に色をつけようとすると、子供は疲れるし飽きる。
乾いたあとの堅牢度は問題ないだろうか(子供が扱うということを考えなければならない)。
……などなど。
これ、子供だけでなく大人も楽しいと思うので、ワークショップにできないだろうか。なんとなくそんなことを考えながら改善策を調べたり考えたりしているのもまた非常に楽しい。こんな悠長にしてていいのかと思うが、腰も痛いことだし、今後の仕事を考えることにつながっているからよしとする(しなければ自己嫌悪でしんでしまう)。
5年前に親と同居することを決めなければ、今みたいに姪と関わることはなく「たまに顔を合わせるだけの遠くの伯母」だったのだろうか。今の楽しさを知らないままだったらそれはそれでつつがなく暮らせていただろう。けど、知ってしまった今となってはできるだけ優先したい。少なくとも姪の気持ちがこの楽しい時間から離れるまでは。