人間の責任

猫、5歳の推定誕生日。
「もう5年も経ったのか」という感覚が強い。

心臓の異状がわかったとき、5年生きられない状況も(頭では一応)想像したけど、生きた。これからも5年はゆうに生きそうなぐらい、何事もなかったみたいに元気だ。今のところ。
この子が何年生きるとしても、生きている間は私が安全とご飯を保障しなければならない。何年でも思う存分生きてほしい。そのために、私はなすべきことをなさなければならない。

私が戦争に反対する理由(「戦争反対」に理由もクソもないけど)、絶対に戦争無理絶対と考えるとき、その思考の片隅にはいつも、「動物の供出のような大罪を繰り返させない」という動機がある。

先週Twitterで、ある著名人が動物の供出に関するツイートをしていた。それに対し、「自分だったらと思うと胸が痛みます」「悲しいことですね」みたいなツイートが群がっていた。

そういうひとたちにとっては、戦争は過去の、自分とはまったく関係ない世界で起こった、災害のようなものなのかもしれない。
でも、戦争はかなり間近なところまで来ている。何より、戦争も供出も、自然災害でも何でもなくて、人間が犯した罪だ。そしてまた繰り返されてもまったくおかしくない。胸を痛めているなら、その主体性をもって人間が防ぎましょうよ、戦争も供出も。
あなたがリプライに写真を載せたかわいい猫、その猫を供出したくないでしょう? なら防ぎましょうよ、そんな政治にNOって言わないと、また戦争が人間によって引き起こされるし、供出みたいな大罪も人間が起こしかねませんよ。

その具体的な方法のひとつが、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党に票を投じないことです。戦争に手を伸ばそうとするこれら政党の議席を少しでも削り、横暴を許さないようにすることです。そして、他国が攻めてくるかのようなプロパガンダに脅されないことです。「防御力を強化する」というようなエクスキューズに騙されないことです。
むしろそれ以外に、戦争や供出を防ぐ方法あります??? あったら教えてくれよ。

……と怒りがわいて、ツイートした(そういうレスをしたひとには届いてないだろうけど)。

猫の療法食は輸入商品だし、動物病院で定期検査を受けないといけない。それらのサービスを継続的に受けられる社会でないと、そして飼い主である人間が生活を続けていけないと、この猫の命はつなげない。ましてや、外で猛暑に苦しんでいる猫も救えない。

人間の責任は重大だよ。逃げてる暇ない。つらいときは休み休みだけど、それでもずっと逃げ続けてはいられない。猫がへそ天してのんきに寝ているのはかわいい。その安穏を守るのは人間の役目だ。役目をまっとうしないと、猫のかわいさを消費することすらかなわなくなるよ。

猫が寝そべっている。柄は薄いキジトラ〜茶色寄りの模様。寝ぼけており、目は半開き。

◆◆◆

性暴力の加害者は、加害者として、法律で取り締まられ処罰を科されてほしい。
こんなの本当は言うまでもない、最低限の当たり前のことだけど、それが成されない社会なんだから、望むことを明言するしかない。

政治は、社会は、加害者を罰することによって、性暴力に甘すぎる社会、性暴力や二次加害が許されすぎてる社会に「性暴力は犯罪」「ひとの体に許可なくさわるな」「被害者は1ミリも悪くない」をつきつけるべきだ。その責任がある。

そしてこの社会を構成し、この社会に生きるひとも、主権者としてその責任を負う必要がある。「日本を嫌いにならないでください」みたいなバカなことを言う暇があったら、この社会をよくして、誰にでも安心してきてもらえるように尽力するしかない。

同様に、性暴力被害者の言葉や報道記事にわいている二次加害に対しても、できる限りの法的措置がとられるよう願う(被害者本人にさらなる負担をかけることのないかたちで)。性暴力を甘く見ている社会を形成している一端として罰され、その存在をもってその罪の重さを社会に知らしめてほしい。

この件に関連して、Twitterで「ふつうのイベントはこうです」的なコメントとともにあげられていた他のイベントの動画を見た。
アーティストが観客の間近でパフォーマンスをする。でも誰も、アーティストにはさわらない。さわらないように、手があたらないように気をつけているように見える。

そもそもあのような密度で、動いているひとに勢いよく手を向けて当たったら、それだけで危ない。そりゃそうじゃんね。
でも私は、「こういう世界は実在するんだ……」という当たり前のことに打ちのめされた。

公共交通機関における痴漢という名の性暴力が日本みたいに放置されていることのない世界だって、絶対あるんだよ。
報道やツイートで日本のそれの異常性に言及されるのを見るとき、日本が異常なことは理解できていたつもりだけど、異常じゃない世界がどのように成立しているのか、想像できていなかった。

他者の体に許可なくさわらない、他者の権利や尊厳を大事にする。他者に暴力をふるわない。
それらが当たり前じゃない世界に、私は慣らされすぎてる。外の世界を知らないってこういうことなんだ。

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