無力感

昨日終えられなかった仕事を午前中で終わらすつもりで、SNSも遮断し励んだ。が、終わって発送を終えたのは午後だった。私はどうして仕事が遅いのだろう。ひとつは集中力が低いことがあるだろう。でも集中していても仕事が早くなるかというと、そうでもない気がする。原稿を書くのが遅い(時間がかかる)のはまだわかる気がするんだ。でも校正が遅い(時間がかかる)のはどうしてなんだろ。指摘事項の多い原稿はさもありなんなんだけど、全部がそうというわけではないからなあ……。

仕事が想定より遅れて困ったのは、今日しなければならないことがあったからだ。そのひとつは、Google Pixelのセールが終わる今日中に買うかどうかの決断をすることだった。
夕方からレビューを調べ、比較検討した末に、買うほうにかなり傾いていた。けど高額商品だけになかなか決めきれなかった。

◆◆◆

決めきれない議題と脳内で選手交代するように、また汚染水のことが頭に浮かぶ。

海は日本のものではない。海に流せば日本国内だけでなく、世界に長期的に影響することになる。そんな重大な問題を、政府のこんな横暴で決めていいわけがない。
こんな横暴を許したら、横暴を許した「日本人」として世界から疎まれ憎まれることになる。これから大きくなる子供、これから生まれてくる子供に大きな禍根を残すことになる。大人にはそれを止める責任がある。

代案はある。代案があるんだから、代案をもっと議論すればいい。

〈「大型タンク貯留案」は、石油備蓄などに実績のある、ドーム型屋根、水封ベント付きで10万立方メートルの大型タンクを建設する案です。建設場所としては、福島第一原発の敷地内の7、8号機建設予定地や土捨て場、敷地後背地等などを提案しています。
(略)
「モルタル固化処分案」は、アメリカのサバンナリバー核施設の汚染水処分でも用いられた手法で、汚染水をセメントと砂でモルタル化し、半地下の状態で保管するというものです。
(略)
こうした代替案が、公の場で提案者をまじえた形できちんと議論されたわけではありません〉

【Q&A】ALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント | 国際環境NGO FoE Japan

〈8月17日、海洋放出に反対する市民たちと政府・東電との話し合いが行われました。市民側は「モルタル固化」という代替案について意見を求めましたが、政府・東電は代替案がだめな理由をきちんと説明しませんでした〉

【原発事故汚染水の海洋放出】代替案の議論が足りない | ウネリウネラ

そして「最も安価」とされていた海洋放出案は、すでにその杜撰な見積もりが指摘されている。政府や東電を信用できない理由はくさるほどあるけど、この雑な見積もりひとつ(わざとやってるんだろうけど)とっても、その理由に十分なるだろう。

〈タスクフォースは34億円で済みます、だから海洋放出しますと選んだ。このような杜撰な金額で、海底トンネル合わせて1200億円だ。期間も88ヶ月が40年に。海洋放出は一旦、立ち止まるべきだ〉

海洋放出ありきか:34億円→1200億円 88ヶ月→30~40年|まさのあつこ 地味な取材ノート

自民党は噓をつき続けた。噓をつき通して強行しようとしているそのプロセスだけでも、十分許せない理由になる。
噓をつき続けた自民党の「全責任」など到底信頼できるわけがないし、自民党が負えるような軽い責任では済まない。

日本の政治の悪影響は、今はまだおおむね国内にとどまっていて、それから逃れるために「海外に移住する」という選択肢をとることができる(ひともいる。もろもろ簡単ではないことだけど)。
でも、本当に汚染水を放出して世界に悪影響が及び、日本という国、この政治を許した「日本人」に世界から非難が向けられたとき、「日本人」は海外ですら生きづらくなるんじゃないだろうか。今以上に。
今小さい子、これから生まれてくる子が、大人のしたことによって住める世界をさらに狭められてしまうのだとしたら、ちょっとほんとうにもう、申し訳のしようもない。

◆◆◆

時計を見て、そろそろGoogle Pixel買うかどうかに決着をつけねばと思った。サイトを開き、今一度価格を確認……と操作すると、なんともう在庫がなかった。「なんと」じゃない。全然「さもありなん」だ。相当お得だったのだから。

でもそれは相対的な話で、絶対的に金がない者には「お得」であっても手が出ないことはままある。こういうセールは、在庫が保証されていない限り、早めに決断できるひとには負けてしまう。私はそもそも優柔不断だし、数万円にもなる買い物となればなおさらなので、こういう買い物競争は向いていない。。金がないから安く買いたいけど、金がないから決断がにぶる。どうしようもない。

このセールのことは期間開始前から知っており、何度か脳裡をよぎることはあった。それでも決められなかった自分の行動力のなさ(腰の重さ)を悔いる気持ちは25%ぐらいある。
けど、それとは別に、「私の場合、携帯にそこまでお金をかけるべきなのかどうか」というところに逡巡があったのも事実だ。とすれば、焦って買い物をするよりも、また冷静になる時間ができてよかったのだ。そう思うことにする。

そして今度は、「8月末までのReno 9Aセール(IIJmio)にのるかどうか」をぼちぼち考えることにしましょ……(そう言ってる間にまた売り切れそうだけど)。
私が今使っているのがReno Aで、基本的な機能はひととおりおおむね満足している。カメラの色みがやっぱりちょっと好みじゃないけど、それ以外は(ネット接続が不安定になるまでは)大きな不満は全然なかった。なので、その後継を購入するという選択肢はある。カメラ機能を別に求めることになる可能性が大きいけど、それを飲み込めれば。

◆◆◆

汚染水のことを考えるとうなだれてしまう。問題はこれだけじゃないけど、これは影響があまりにも大きい。といってうなだれていていもしかたがないので、今日読んで印象的だったテキストを記録して終わることにする。

〈社会は常に問題だらけで、その問題によって常に人が死んでいる。様々な生き物も死んでいる。その社会の中で、「自分は収入に不足なく特に困ってもいないから現状のままでいい」とは、自分の場合、たとえ金持ちになったとしても思わない。そしてその問題だらけの社会を構成している一人なのだという自覚もある。じゃあどうすればいいか、うんうん悩みながら考える。その時に本があると良い。そう思って本屋をやっている〉

日誌 生態系と接続する|モリテツヤ

〈刺紙の活動主体は、同名のZINEをつくることだ。2019年から刊行し始めた同ZINEの表紙は木版で、なかは出力したコピー用紙だ。内容は日常のこと、逮捕された友人の経験、生理や更年期といったフェミニズムに関わることなど、個人の経験から生じた問題意識が綴られている。さらに中国各地で製本と木版画制作を教えるワークショップを開催することにも力を入れ、オルタナティブ・スペースも運営している。

「刺紙」は広東語ではトイレット・ペーパーと似た発音で、このZINEは当初トイレの個室に置かれて読まれることを想定してつくられた。というのも、トイレは中国で監視カメラがない数少ない場所だからだ。製本ワークショップを盛んに開催するのも、中国では正式な出版はすべて検閲を受けるため、自主制作によって自由に表現することを広めるためだ〉

境界を越えて届く版画──監視や対立の扇動を潜り抜けて。町村悠香評「解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐(脱境界:インターアジアの木版画実践)」展とシンポジウム|美術手帖

なお、今日ここに書いたリンク先の一部がnoteだけど、私はnoteを使うことを受け入れたわけではない。でもやむを得ない場合はある。

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