生活の断片

ここ数日、繰れども繰れども終わらない数百ページの校正に集中していた。原稿がおもしろかったこともあってけっこう集中できていたのだけど、その合間合間には生活があり、猫がいて、SNSとの接触があって、思うことがなかったわけではない。その断片を、SNSの投稿や手元のテキストエディタから拾ってみる(順不同)。

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午前中、猫が遊びたがるタイミングと私が遊べるタイミングがずれていて、うまく応えられない。あと10分待ってもらえれば、家に誰もいなくなって思う存分遊べるんだけど、そんなことは猫にはわからないし、猫の知ったことではないもんね。そうして家に私と猫だけになり「さあ! 家中遊びまわってやろうぜ!」とおもちゃを持って猫のところへ行くと、猫はもう寝ていたりする。遊んでもらえないなら寝るしかないもんね。申し訳ない。私も寝るから許してくれ。

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悪天候の懸念から、「入管法渋谷デモ0225」はスタンディングに変更されたとの由。そこにペットボトルを投げ込んだ輩がいるという投稿を読んだ。伝聞の伝聞であり、攻撃の意味合いで投げつけたものなのか、馬鹿にする意図で捨てたものなのか、はっきりしたことはわからない。社会運動の軽視なのか、何もしていない自分を守るための冷笑なのか、積極的な差別・排斥感情なのか。いろいろこわい想像ばかりしてしまう。

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抗うべきことがなくなるどころか毎日純増していくこの世界にあって、こうして仕事に没頭していいのだろうかと自身を苛む気持ちが常にある。今、経済的に近年まれにみる厳しい状況にあって、とにかく仕事しないと生存があやぶまれる状況にある状況で選択肢はないんだけど(むしろその仕事をもっと探す努力をしなければ)、それでも、パレスチナのこと、苛烈な差別に加えて危険な法案に生活を脅かされている外国籍の方のこと、被災した地域の方のこと、脱税しても逮捕されたり議員資格を剥奪されることなく与党議員としてのうのうとしている輩のこと……いろんなことはいつも身体の中にあって、その存在が大きくなったり小さくなったりしている。

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日曜20時からのBUCK-TICK過去ライブ映像配信、いつも忘れて20時に間に合わないのだけど、「あらかじめブラウザで開いておけば、時間になったら自動再生するのでは。そしたら音で気づけるのでは」ということに気づいた。これで自動再生しなかったら自分の気づき能力のなさにうけるな……などと考えていたけど、無事自動再生された。いつも思うけど、YouTubeのカウントダウンの音、でかい。私みたいな者がいるからなのか。

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月末ということもあり、次から次へといろいろな請求がくる。実際に使ったものだからいたしかたないが、今本当に苦しい。仕事上のやりとりではあるものの多少腹を割った交流ができているのでは、金銭と納品物の交換という取引にとどまらない有意義な協働もできるのでは……などと勝手に思っていた取引先からも比較的まとまった額の請求がやってきて、「ああまあまずはともあれ金銭ですよね」と落ちこんだ。徹頭徹尾、自分の心中で完結している物思いではあるが、落胆した。それで気づいた。この一件に限らず、私は金のない状態に傷ついている。この傷つきから私は目をそらし続けていた。「常に貧乏ですから」とデフォルト状態を低く見積もってすませようとしていた。でも明確に傷を負っている。その傷が致命傷になりかけて、ようやくそれを受け入れることができた。

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日本年金機構だったか年金事務所だったかから、「国民年金、免除とか猶予制度もあるよ!」というお知らせがきた。前に調べたとき(新型コロナウイルス感染拡大真っ最中だったかも)には「条件が厳しすぎて使えない」という結果だったような気がする。その印象があったので「今回もどうせ……」と思っていたが、封を開けてみるとそうでもなかった。前に調べたときは別の税金や別の制度に関するものだったのかもしれないし、今の私の収入が低くなりすぎているのかもしれない。一度ちゃんと調べてみることにする。

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【ここ数日で読んだもの】

輪島市 支援物資の届け先を市の「指定避難所」に集約へ(NHK、2024/2/23 20時58分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240223/k10014368951000.html

自主避難所への物資配送打ち切り…「納得いかない」輪島市の方針に困惑と憤り(北陸中日新聞、2024/2/23 20時23分)
https://www.chunichi.co.jp/article/857948

この見出しの差。

今回の能登の地震における自主避難所への支援の不足については、1月3日に現地に入った津田大介氏がその当初から「聞いた話」として指摘していた(その後のレポートでも、それに準ずる話がたびたびあった)。これまでの震災も、私が知らなかっただけでそういうことが起こっていたのかもしれない。

けど、今回は、政府が何度もその言い訳に用いてきた「地理的な問題」などもあるなかでこの打ち切り、ひどすぎないか。だいたい、丸2カ月が経とうとしていて、それでもなお自主避難を継続せざるを得ない状況が続いている、この事態を解消できてないのに。輪島市が追いつかないとしても、国がいるでしょうよ、国が。こういうときに役に立たないでいつ役に立つの、国という枠組みが。

そもそも、被災地自治体職員の疲弊の問題こそ、国がまっさきに手当てすべきことでしょうよ。

もう限界です!能登半島地震の被災地の公務員などの過重労働を解消してください(change.org、2024/1/28)
https://www.change.org/p/もう限界です-能登半島地震の被災地の公務員などの過重労働を解消してください

能登半島地震 被災自治体もう限界 「職員疲弊もっと人手を」(読売新聞、2024/02/16)
https://www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20240215-OYTNT50222/

それができない法律になっているのだとしたら、それこそ国がどうにかしなさいという話だ。そしてそれが、自民党の裏金脱税問題で進まないというなら、それはひとえに自民党のせい。何重にも自民党のせいなのに。

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