落ち込みから始まる

朝、猫に起こされて、スマホで時間を確認し、ついでにSNSを開く。開いてしまう。よくないね。でも毎日やってしまう。

今朝は、イオンシネマでひどい対応を受けた車いすユーザーの方に対する、本当にひどい投稿が真っ先に流れてきた。その言葉は、「看護師」を自称する者がその「立場」から発言すると前置きしてのものや、「FIRE済み」を自称する障害当事者がその経験を踏まえて忠告する、といったものであったが、いずれも障害を負った車いすユーザーの方の言動(権利)を「否定」する側のものであった。その衝撃がすごくて、比喩でなく涙が出た。家にひとりだったら号泣していたかもしれない。

日本において多くのひとが、人権のことや法律で定められた「合理的配慮」のことを十分に知らされず、また自ら知り考えるためのリソースを奪われている。社会の構造が奪っている。そして、SNS上で「否定」する数多の声の裏には、自分自身の苦しみがある(こともある)のだろうと想像もする。しかし、たとえそういうものがあったとしても、あったとしたって、他者に権利の侵害を甘受しろと迫るようなことを公共の場で平気で発してしまえる社会はきつい。

マジョリティが社会のことを考えることから逃げたい、逃げたいと思っていることをSNSで突きつけられたくない、逃げたいと思っていることに何らの罪悪感や責任を負いたくない、経営者面できる強者感を味わいたい……その動機は想像するほかない。けど、己のためなら他者を脅かす言説を支持することを厭わないし、厭わないことを隠しもせず、理想や理性や倫理をかなぐり捨てた者が弱い者を食いつぶした気になっても実際には何の腹も満たされないはずなのに何か満足した気になっている社会、よくなるわけがない。きつすぎる。

どうにもいたたまれずこの感情をSNSに投稿し、TLをスクロールする。そこにあった、まったく違うテーマに関する投稿を読んで、「さっきの投稿で、私はまた『そういう輩』を自分から切り離して『あいつらとは違う』『あいつらはだめだ』とする行為をしていたな」と気づいた。

私はそういう切り離しをしがちだ。近年はこれでも気をつけるようにしてはいる。イスラエルが行っているパレスチナの虐殺を咎めるとき、その行為の当事者であるイスラエル兵を悪魔化、非人間化することもしないようにしている。そうした個個の存在にまったく「罪」がないと思っているわけでは毛頭ないが、責めを負うべきはイスラエルであり、その構造であり、その政治を動かしている人間だから。

この映画館の件で暴力的な声を寄せる者も、自民党を積極的/消極的に支持する者も、構造としてはそれと近い。でも、それでも、そういう個個の存在や言動と自分との間に明確に線を引くような言動をすることはある。

なぜかといえば、まず第一に、単純に愚痴、感情を吐露したいからだ。その言葉で何かを動かしたいという気持ちで出しているものではない。ただ、その言葉に何か伝えたい思いが乗っているとしたら、それは「私はそちらとは違う」ではなく、「私はそちらに脅かされている」だと思う。障害者の方の権利侵害を肯定する声に、自民党を支持する者の投票行動に、私の生活も人権も脅かされている。その危機感、焦り、怒り、悲しみを発しているのだと思う。

もっとも、仮にそうだとして、外から見たら「切り離し」をしているという点では同じだし、自分の投稿を傲慢で、どこかの高みから「正しい」ことを言っているように受け取っているひともあるだろうという自覚はある。

ただ、誰にともなく言っておきたいのは、こういう言葉を発してもまったく楽しくもないし気持ちよくもないということだ。SNSで「何にでも『正しく』怒っているやつらは、そうしていると気分がいいのだろう」「他者を叩くことを楽しんでいる」といった投稿は散見されて、私はそのたびに「そう書くあなたにとっては怒りは娯楽なのか? こんな疲れることを楽しめるなんてさぞ生活に余裕があるので……」と思いながらブロックするけど、私にとって怒りや抗議を発する行為はクソほども気分はよくなくて、時間と労力を費やしストレスと疲労を蓄積し、その日々にソウルジェムが濁っていくのを見ているしかない行為だ。それでも、私の、私が大事に思っている存在の、(そしてあなたの)生を脅かされているから言うしかないから言っているのだ。本来的には、自分が脅かされるかどうかにかかわらず、社会のために必要なときに声をあげるのは大人の責務だ。でも、今目の前で私が怒っている理由を端的にいえば、もうそこなのだ。

精神状態が本当によくないので、仕事に没頭することにする。土曜日に仕事をした甲斐があってけっこういいところまで進んだので、今日で終わらせたい。そしてパソコンを再起動し、動作カクカクの状態をどうにかしたい。Chromeのタブはすでに相当減らしているのに、動作が本当に重くて困っている。確かに最近ぼちぼち重い作業をしてはいたけど、それらのアプリはすでに終了させている。やっぱりこれ、Chromeのアップデートのせいなんじゃないのかな……ブラウザ変えるか……?

◆◆◆

先日めずらしくまあまあ遠出する予定があり、ここぞとばかりにバッグにパレスチナ連帯ネットプリントのシールを貼っていったところ、帰宅したら全部はがれてしまっていた。シールはコンビニでネップリを印刷したもので、バッグは3COINSの半透明の収納バッグみたいなやつ。シールの粘着力もそれほど強くはなさそうだし、バッグ側もシールがつきにくい素材だったのかもしれない。ひとの作品を印刷したものであり、それを落としてしまったのは申し訳なかった。けれども、せめてそれが(も)誰かに届いているように願う。

次は強粘着のシールを探して自分で印刷するか。パッチを用意できれば、ピンなどで固定するほうが確実だよな。誰かと交換することもできるかもしれないし。パッチもシルクスクリーンはハードル高いけど、100円ショップの布用スタンプを使ってステンシルするならしやすいのかもしれない。あと100円ショップにアイロンプリントシートがあったので、あれを使えばパッチにできるのかもしれない。というようなことを、↓の投稿を見ながら思い出した。

【今日読んだもの】

「🇵🇸パレスチナへの連帯を呼びかけるポスター企画🍉」に関するInstagram投稿(YUKAさん、2024/3/16)
https://www.instagram.com/p/C4j0JSRJD9A/

〈🇵🇸パレスチナへの連帯を呼びかけるポスター企画🍉
知り合いや友人に声をかけ、パレスチナへの連帯を呼びかけるポスターを制作していただきました。どなたでもコンビニのネットワークプリントでA4サイズで印刷していただけます。
デモのプラカードとして使用したり、店に掲示したり、部屋に飾ったりして、目に留まるよう掲げてください📃📌

※改変・商用利用は固く禁止いたします。
※お店など掲示していただける場合は紹介したいので、お声かけください。

【 ユーザー番号 】XAXD66KD8G
【 印刷できるコンビニ 】ファミリーマート・ローソン・ミニストップ・ポプラグループ
【 印刷可能期間 】 3/16(土) 〜 3/31(日)〉

「🇵🇸パレスチナへの連帯を呼びかけるポスター企画🍉」に関するInstagram投稿(YUKAさん、2024/3/16)

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