かたつむりの歩みは記憶の中のそれより速い

先日、久しぶりにまとまった量の雨が降ったあの日に折悪しく出かけたところ、歩道を横断するかたつむり数匹を見かけた。わたしの好きな、小さいかたつむり。あのサイズなら殻は恐怖せずつかめるので、人に踏まれる前にと塀の上に乗せた。何も考えずにやってしまったけど、あれはかたつむりにとってはいいことだったのだろうか。かたつむり自身で進むことに意義があるとか、殻といえど人にさわられると健康によくないとか、そういうことがあったら悪いことをした。

そのかたつむりが思いのほか早く進んでいてまたかわいかったもので、動画を撮って姪に見せた。そしたら、かたつむりの絵を描こうということになった。お題は、動画の中のベージュ色のかたつむりではなく、姪が見たというカラフルなかたつむり。どうカラフルなのか想像力と世界の広さが試されるお題で、わたしはその狭さを痛感した。

姪の描いたカラフルなかたつむりがあんまりかわいいものだから、この絵をもとにブローチをつくろうかと姪に言ってみたら、「ポケットポーチにして、腰につけたらいいんじゃない?」という提案が返ってきた。ので、そのポーチを羊毛でつくってみた。本体はおおむねできたので、あとは明日仕上げをする。

もととなっている姪の絵は、実際のかたつむりとはちょっと違うところがある。それをある程度リアルに寄せるか、それともすべて姪の絵を忠実になぞるかというのは、けっこう迷った。たとえば、絵をそのまま形におこして外で使ってもらえたとして、それを見たほかの子に「かたつむりって、ここがこうなんだよ〜」とか言われたらいやだなと思って。

でも、姪からすれば、自分の絵がそのまま形になっているほうがやっぱりテンションあがるんじゃないかなと思い、基本は絵に忠実にすることにした(わたしの縮絨技術の問題でゆがんでいるところはあるが)。姪が喜ぶかどうかわからないけど、わたしからするとけっこうかわいいと思う。自分のもつくろうかな。

新型コロナウイルスの感染が拡大してしまった今、洗濯の難しい羊毛のバッグやポーチは気軽には使えなくなってしまった。昨年つくった羊毛のバッグも、その前に愛用していた羊毛のポシェットも、部屋内壁掛けの収納袋と化している。防水スプレーを使えば防げる汚れもあるし、まったく使えないわけではないのだけどね。

何の憂いもなく使える日が来たら外でまた使おうと考えていたけれど、そんな日はもう来ないかもしれない。毎日政治に絶望してばっかり。選挙の投票率も上がらないし、自公が負けても維新が飛躍したりするし、毎日無力感としにたみにまみれている。だから、来ないかもしれない未来をあてにせず自信作はすぐ使ったほうがいいかもしれないし、iPad Proはメモリ16MBのモデルを買ったほうがいいのかもしれない。

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