達成

チョカと久しぶりにアクアビーズ。チョカはいつも、キラキラ光るすてきな造形を見せてくれる。そのすてきな造形をきれいに保存しておきたいし、ブローチなりキーホルダーなりにしてそばにおいておきたいので、完成品はコーティングする。そのコーティングは、木工用ボンドとレジンのどちらが正解なのだろうか。透明度でいえばやっぱりレジンだろうか。ニスという選択肢もあるのか?

最近チョカは、「今日の帰り、一緒に(チョカ宅に)来てくれる?」と言う。犬のために帰る時間が早まって遊び足りないのかもしれないし、もしかしたら言うことを聞いてほしいというような感情もあるのかもしれない。私も遊び足りないのは確かだし、犬にも会いたいので、行けるときは行く。

この日もチョカ宅に移動。前週の続き、自転車練習だ。
チョカも私もやる気満々。ただ、私の腰はまだ本調子ではない。ということで、チョカ母が「(私)ちゃんの腰が痛くなったら終わりね」とあらかじめ釘を刺してくれた。チョカも私を気遣って、練習1ターンが終わるたびに「あと何回いける?」と聞いてくれた。

それに対する私の答えは毎回、「あと2回はいける」だった。あと1回というほどの痛みではまったくない。ただ、あと3回いけるかというと、そこまで確約する自信はない。でも2回はいける。そういう感覚だった。それが延々続いた。ならば最初は「あと10回」とかでもよかったのかもしれないが、それは10回し終えてからでないとわからないことだ。

チョカの状況はというと、前週よりさらにいい感じになってきて、今日できなくても明日にはできるだろうという手応えが早々にあった。道の端にいたミミズを踏まないように、というミッションが新たに追加されていたが、それも楽しめる余裕があるようだった。

それでも、ペダルをこごうとすると自転車が傾いてしまう問題はまだ残っていて、それに苦労しているということを本人が私に伝えてくれた。対策を考えて、練習を繰り返す。その途中で、海外の人または海外にルーツをもつ人と思しき人物が通りかかった。ちょうどチョカが足をついてしまったところで、どうやってペダルをこいだらいいかと話をしているところだった。その人はチョカに対して、「あなたならできますよ、がんばってくださいね」と声をかけてくれた。年齢差があるのは明らかだったけど、敬語で話しかけてくれた。そのスタンス、声のかけ方、大人としてとてもいいなあと思った。

そんな出来事をはさみつつ何回も練習して、ついに足をつかずに最後までこげた。足をつかずに道の端から端まで走り、ブレーキで止まる。それを最初に達成して、振り返ったときの顔にあふれていた喜びと驚きは、ちょっと形容できない。

その前、かなり乗れるようになってきた段階で、チョカ親に見せるべく、私はスマホのカメラで録画していた。カメラを固定する装置を持ち合わせていなかったので、カメラの録画開始→そのまま一旦ポケットにしまう→自転車押さえる→走り出す→自転車から手を離す→カメラをポケットから出す→チョカの後ろ姿を撮影、という要領での撮影。そして、チョカに何かあったら支える必要があったので、私は駆け足でチョカを追いかけながらの撮影。なので映像はブレまくっている。

でも幸いなことに、最初に走行に成功したときの様子を動画に収めることができた。チョカは自転車で走り、私は足で走り、チョカが止まり、私も止まる。そこでチョカが振り返る……というところで録画は終わっている。チョカを労い褒めるために、カメラをしまう必要があったからだ(と、そのときの私は考えた)。
なので、形容しがたいあのときのチョカの表情は、ほんの一瞬、完全に振り返りきる前の4分の3ぐらいしか映っていない。今考えればものすごくもったいないことをした。撮影を続けながら労い褒めてもよかったと思う。
でもあのときは、目標を達成したチョカに、間にデバイスを介することなく接したかった。そうあるべきだと思った。ので、後悔というほどの後悔はない。その一瞬にも、緊張から一転、ほころぶようなチョカの表情が映っている。それで十分だと思う。

帰宅したチョカは、自分の親に事細かに報告していた。苦労したことも、失敗したことも、誇らしい成果も。そういうコミュニケーションが親と成立している子供時代をほほえましく思ったし、自分の手で目標を達成したチョカをとてもうれしく思った。

そのチョカを横目に犬と遊んでいたら、急激に空が暗くなり、雨雲レーダーが雨雲の存在を知らせてきたので、急遽帰宅。あいにく間に合わず途中で降られた。ボタボタと音がする、ザ・大粒の雨という感触。迷ったけど雨やどりがてら、途中のホームセンターで買い物することに。その道のりすらなんだか楽しかった。

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