いい映画を見た

朝、布団で寝ぼけていたら、リビングから妹の声がするような気がした。気のせいか、何か用事があって寄ったのか……ぼんやり考えていたら、チョカの声まで聞こえてきた。え? あ! そうだ、チョカが来る日だった。目覚ましをかけ忘れていた。最近の私の生活では、起き上がった瞬間が1日で最も腰の痛い時間なので、俊敏に動けない体がもどかしい。もたもた起き出してリビングに向かった。

チョカたちの帰宅後、ラーメンを買いに出た。天下一品のこってりを食べたいけど行けないし通販のこってりも買えない、というときに、かなり近しい味覚を味わえるラーメンを発見したのだった。天一には申し訳ないが、大変ありがたい。行きはバス、帰りは徒歩でいろいろ寄りながら帰ったのだけど、足がスムーズに動いていなくて、運動不足、筋肉不足を痛感した。やばいレベルだなこれは……。

夜は『名もなき野良犬の輪舞』を見た。サービス終了したGyaoで無料配信していて、Mastodonでおすすめしていた方がいらしたのだけど、見そびれていた。でも、先日買った西森路代さんの著書『韓国ノワール その激情と成熟』で言及されていると知り、読む前に映画を見ておきたかった。

見終わったあとの心の内での第一声は「イム・シワン、めちゃいい俳優さんだね……」だった。ソル・ギョングがすばらしいのはもういうまでもないのだけど、私たぶんイム・シワン出演作品をちゃんと見たの初めてだったので……。

いやーーー、なんでこれもっと早く見ておかなかったのかなーーー。むちゃくちゃいい作品。もう1回見返したいけど、その前に感情を一旦整理したい、この「何これ、何これ」という感情をちょっとどうにかしたい。その混沌とした状態で検索していたら、有志の方が翻訳してくださったビョン・ソンヒョン監督インタビュー(出典:雑誌『ミステリア』13号 2017年7月発売、前編後編)を拝読することができた。これを読んだら、自分のなかで陰影が深まったというか、すんごいくっきりした思いがあった。

監督インタビューだから、ある種の答え合わせに近い行為かもしれない。理解がくっきりするのは当たり前といえば当たり前だ。けど、これは読めてよかったなあと思ったし、これを読んでもう一度見たくなった。

この状態での感想をMastodonにメモっていたので、ここにも転載。以下、ネタバレあり。

↓ 感想ここから(ネタバレあり)

・ほんと今までなんでこれ見てなかったんだろう……ってなったんだけど(Gyaoが閉まるときにMastodonでおすすめされてた方がいらして見るつもりだったんだけど、結局逃していたのだった)、何の情報もない状態で見られて本当によかった。前述の監督インタビューでも言及されているあのシーンは、ほんと「えっ?」ってなった。

・そのシーンがあったことで、ジェホとヒョンスの人間関係に安心してのめりこむことができた……っていうのも、監督インタビューを読むと「その通り見ましたわ〜〜」ってなって、監督という仕事はすごい。

・基本的に、大事なひとを見つけることができたどうしには幸せになってほしい派なので、終盤の展開は「ああやっぱね〜〜〜そうは問屋が卸さないよね〜〜ぐぬぬ」とはなったけど、ジェホはあれは幸せなエンディングだったんではないかと思う。むしろあの場でああならなかったとしたら、その後の人生がつらすぎる。だからむしろ、ヒョンスの人生がこれから心配だよ、っていうか生きていけるのかこれから。……これも監督インタビューに書いてあって、心のなかでうんうんうなずいた。

・私が最後まで読み違えていた、というか、「どっち? どっちなの??」とハラハラしたのはビョン・ガプ(聞き間違えじゃなかったら、会長から「チョカ」って呼ばれてた)。よかった、そっちじゃなくてこっちでよかった、よかったんだけど、こっちなだけにあの展開は切ない。でも、出会ってしまった二人の前には何をどうしても太刀打ちできないわけで……。

・イ・ギョンヨンはほんっっっっっとうにいろんな作品によく出てる!

・「ひとがひとを見つけること」を描いた作品として、私はこれ、相当好きだなこれとなった。私が10歳若い状態で(10年前にはまだなかった作品だけど)これを見たら、全然違う受け取り方をしてたかも。

・反対に、暴力描写はちょっときつい。これは10歳若い自分のほうが受け取りやすかったかも。ただ、「インサイダーズ」ほどのつらさではなかった(個人的な受け取り方として)。「インサイダーズ」の宴会のシーンとかは、記憶に残る「ちょっとつらい」シーンだったので……。よかったし、また見たいんだけども。

↑ 感想ここまで(ネタバレあり)

さて、西森さんの本を読んでから2回目を見るか、2回目を見てから西森さんの本を読むか。

[7/3追記]
↑の感想は見た日の熱々の状態で、未整理の感情をメモったものだった。これを数日後に見返す機会があったのだけど、見返した数日後に感想を書けと言われたら、たぶんこれとは全然違うものになっていただろう。感想や日記をなるべくリアルタイムで書くの大事だなとつくづく思った。ほんと今さらだけど。続かない日記やっておいてなんだけど。

あと、この件についてツイートをしたら、西森さんがイム・シワン作品として「ドラマだけど、『ミセン』もぜひ!イ・ソンミンも最高です。」とすすめてくださって、うれしかった。『ミセン』も見たいんだよ〜〜〜ずっと気になってるやつ〜〜〜。

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