ひととの時間をどう書くか(書かないか)

きょうだいの子どもは、私にとって私の猫と同じぐらい大事な存在だ。この世界に私を引き留めるものであり、私が最善を尽くす責任を負うと決めているのは、猫とこの子だけだ。
この子との時間を、以前は日記に書いてブログに投稿し、ZINEにも掲載していた。でも最近は、手元のテキストエディタには(全部ではないものの)書いているけれど、ブログやZINEにはのせていない。その子やその子の周囲の子がインターネットに接続する可能性のある年齢になり、自分のことを書かれたものをその子が読む可能性が生じた(現実的にはたとえブログにアクセスしたところでまだ読めないけど)ことを意識したときに、とりあえずそうすることにした。

では、本人が到底読み得ない幼児の時代ならよかったのかというと、そういうことではないだろう。幼児にも権利や尊厳はあるのだから。ただ、私がそこに思い至れなかった。写真や個人情報などはもちろん最初から載せていないけど、そういう問題では(も)なく、人目につくところに書かれることを本人がよしとするかどうかという話だ。それが、その子と過ごす時間の「私サイド」の側面であっても、それは当然に、その子の一部でもある。

その子との時間は、私の生涯にとってとても大切で大きな一角であるし、そこで動かされる感情や得られる感覚は唯一の、とても貴重なものなので、できたら何らかのかたちでブログやZINEにしまっておけたらなと思っている。そしてそれを、海で拾ってきた貝殻を時折眺めたりひとに見せたりするみたいに、自分で開いたり誰かに見せたりできたらなと思っている。でも、どうすべきかを整理するまでは保留にしている。

もうひとつ、私はその子のことを、日記の上では「チョカ」と呼んでいた。甥・姪をあらわす韓国語で、性別で呼び名が左右されないのがいいなあと思って、その呼び方を借りていた。でも、これが文化の盗用にあたるのではないかとあるとき考え、それを解決できないでいた。今も解決できていないのだけど、解決できないままズルズルと現状維持してしまうのはやっぱりよくない。ので、ここからは「コロ」と仮称することにする。その子がまだ赤ちゃんのときに一緒に暮らしていた猫の名前を借りる。

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今日は埼玉の書店を会場にコピー本交換会が行われていて、私はそのイベントにとても強くひかれていた。ZINEの交換、私がしたいと思っていることのひとつだから。しかも小規模の。だから、その場に居合わせてみたかった。けど、コロとの時間の(お互いにとっての)大事さを考えたときに、今回はこっちを選んだ。交換会はきっとまたあるし、自分が開くこともできる。しかし、私はこうして週の7分の1をどう過ごすか選ぶことができるけど、これが自分の子であったら週の7分の7に対してもっと強い制約が働くわけで、親の大変さを改めて想像するなどした。

その交換会の中で行われる座談会がTwitterスペースで配信されるということで、コロを見送って、交換会に関するツイートを追いかけながら、その配信を聞いた。ちょっと音が遠くて、Bluetoothスピーカーを電話のように耳の横に持ちながら聞いていた。内容はけっこう本格的に本作りの話で、用紙や印刷方法などの話をいろいろ聞くことができた。録音も残っていてありがたい。また聞き直そう。

交換会は郵送参加も可能だったのだけど、広く大々的に受け付けていたわけでもなかったのと、私個人の今回の関心として「リアルの場での交換がどのような雰囲気なのかを体験したい」というのが主だったから、参加するならリアルでと考えていた。でも、参加した方の投稿を見ているといろんなZINEがあるようだった。なかには、会場で完成させたZINEもあるとのことだった。会場で手書きで完成させたということなのか、「完成版のデータというものがない」と書かれていて、はなからデータでつくる前提だった私には目から鱗だった。データが残っていないZINE、通販を望みたくても望めない、その場限りの一期一会のやつ。そういえば、主催の方も「会場でもつくれます」的なことを書いてらしたような気がする。コピー本いいな……! 郵送で参加すればよかったわあ……!(その一期一会のZINEは、ご厚意で郵送していただけることになった。うれしーーっ)

夜は、明日の全国連帯デモにそなえて、パレスチナ連帯のネットプリント情報を更新

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……まで書いたところで日記は途絶えていた。最後のほうは眠気の中で書いていたと思しきわけのわからない文章などもあった(書き直し済み)。ネップリ情報の更新をして少し寝て、SNSをめぐってデモの情報や今日のコピー本交換会関連のツイートなどを見つつ、日記を書きつつ、ツムツムやりつつ、官邸や外務省に意見送りつつ、またネップリ情報やデモ情報の更新の続きをして……という感じで、なんだかんだで寝る時間になった(しかも遅めの)んだったか……

ああそうだ、思い出した。SNSを見ていたら金曜日の『不適切にもほどがある!』がひどいという投稿が相次いでおり、例によって感情の波バレというか見どころバレを得てしまう前に自分で見てしまおうと、作業しながら見たんだった。そしたら本当にひどくて、めちゃくちゃ腹が立って、そのことを書いてSNSに投稿したんだった。

今日1日の日記をペーパーにしてネットプリントに登録できたらいいなと思っていた。コピー本交換会に参加した方が「あとでネットプリントにも登録します」と書かれているのを見て、そのなかに(ネップリだけでも)混ざれたらと思ったのだ。しかし残念ながら、まったくそこまでいきつかなかった。

【今日読んだもの】
「本読みデモ をやってみる会」の案内。
https://www.instagram.com/p/C3clq0KSJN1/

2/18(日)は、イスラエルによるラファ侵攻に抗議する「ラファに手を出すな!全国連帯デモ」が呼びかけられ、全国各地でアクションが予定されている。そのひとつとして、名古屋で企画されたのが、この「本読みデモ をやってみる会」。私が知る限り、本読みデモは以前に長野で開催されていて、今日は福井で開催されたそうだ。そして明日は名古屋である。アクションにはいろんなかたちがあるけど、本読みデモもとてもいいなと思っている。

「HANDS OFF RAFAH 全国連帯デモ」として、名古屋にて「本読みデモ をやってみる会」を開催します。パレスチナに関連する本を持ち寄って、本を読んだりお話したりする会です。本はこちらでも用意しますので、手ぶらでもお気軽に参加いただけます。

これまでいろんなデモに参加してきましたが、社会運動の現場のマッチョさ/健常主義さに辟易したり、そもそも自分が(身体/精神的に)動けなかったり、デモって意味あるのか…?と考えてしまったり、主体的に参加できなくなってしまうこともありました。

今考えるとそれは、デモがこうあるべきという考え方が一通りしかないこと、アクティビズムに多様な選択肢がないこと、そこに自分を当てはめていくことでしか参加できないことが原因だったような気がします。

本を持ち寄ってみんなで読むこともデモだし、そもそも家から一歩から出なくてもデモに参加することはできます。もっと色んなアクティヴィズムのあり方や、その捉え方を広げていくような、デモの定義や手法を攪拌するような、そんな会にできればと思います。

「本読みデモ をやってみる会」の案内(主催者のInstagram投稿)

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